マーラーとプロコフィエフ、そしてブゾーニの関連は?

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東京都交響楽団定期演奏会Aシリーズ

2019年1月15日(火)東京文化会館

ブゾーニ

喜劇序曲

マーラー

《少年の不思議な角笛》より
  ラインの伝説
  魚に説教するパドヴァのアントニウス
  死んだ鼓手
  少年鼓手
  美しいトランペットの鳴り渡るところ

プロコフィエフ

交響曲第6番

いつもプログラミングに何かしらの意味のある大野和士の公演。
この3曲の関連は何だろう?

マーラーとプロコフィエフの関連

マエストロの解説動画があるので、どうぞ。
大野さんの解説は、音楽面だけでなく文学面にも及び、非常に説得力があります。

「角笛」の最後3曲が戦争で亡くなった若者の歌であり、それと、プロコフィエフ6番が戦争への哀歌という点で、内面的につながっていることが、よくわかります。

大野和士が語る マーラー:《少年の不思議な角笛》より Part1

Kazushi Ono talks on Mahler – Des Knaben Wunderhorn / 大野和士が語る マーラー:《少年の不思議な角笛》より Part1

大野和士が語る マーラー:《少年の不思議な角笛》より Part2

Kazushi Ono talks on Mahler – Des Knaben Wunderhorn / 大野和士が語る マーラー:《少年の不思議な角笛》より Part2

大野和士が語る プロコフィエフ:交響曲第6番

YouTubeではマーラーPart1に続いてPart2に進み、そこで別のコンテンツに行ってしまいますが、実はプロコフィエフの解説も別途存在し、さらなる熱弁が聴けます。

Kazushi Ono talks on Prokofiev – Symphony No.6 / 大野和士が語る プロコフィエフ:交響曲第6番

では、ブゾーニは何だろうか?

サイト管理人が、大野さんにインタビューしました。

ブゾーニは、プロコフィエフの第3楽章に聞かれるギャロップ風の音楽と対をなしていて、この日の公演の「枠」となっているそうです。

プロコフィエフが交響曲6番をギャロップで盛り上げて終わっていれば、大祖国戦争の勝利で盛り上がっているソビエト国家において、交響曲第5番に引き続き称賛と栄光を得られたはず。

しかし我々が最後に耳にするのは阿鼻叫喚
これがなければ、ジダーノフ批判を受けることもなかったかもしれないし、社会的地位を危うくする、つまり死の危険を感じることもなかったでしょうに。

現在われわれは大勝利に酔っているが、誰しも癒すことのできない傷を負っている。
ある人は最も親しい者たちを失い、またある人は健康を害している。
こういうことは忘れてはならないのだ。(プロコフィエフ)