オカルティズム 非理性のヨーロッパ

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大野英士 著「オカルティズム 非理性のヨーロッパ」

サイト管理人のお勧めの1冊をご紹介します。

オカルティズム 非理性のヨーロッパ の書影

講談社選書メチエ

 

「オカルト」と聞くと、禍々しいもの、あるいは興味本位の超能力、怪奇現象を扱ったもの、と思いがちです。

しかし本書は、そうしたいわばキワモノではなく、世界や人間に対する理解を深めようとする過程で生じた、科学と宗教との葛藤が生んだ認識論的な大転換を考察しているものです。

 

エジプト、メソポタミア、ギリシアなど古代文明はもとより、中世から近世にかけて、さらには近代においてすら『オカルト』『魔術』は、『世界をどう理解し、操作するか』を教えてくれる重要な知的体系を指していた。」(本書P22より)

「BOOK」データベースより

内容

ヘルメス文書、グノーシス、カバラー、タロット黒ミサフリーメーソンイリュミナティなどの秘密結社、そしてナチ・オカルティズムとユダヤ陰謀論……古代から現代まで、オカルトは人間の歴史と共にある。

一方、「魔女狩り」の終焉とともに近代が始まり、その意味合いは大きく変貌する――。

理性の時代を貫く非理性の系譜とは何か。世界観の変遷を闇の側からたどる、濃密なオカルティズム思想史!

目次

序章 毒薬事件――悪魔の時代の終焉と近代のパラドクス
第一章 オカルティズムとは何か
第二章 オカルティズム・エゾテリスムの伝統
第三章 イリュミニズムとルソー――近代オカルティズム前史
第四章 ユートピア思想と左派オカルティズム
第五章 エリファス・レヴィ――近代オカルティズムの祖
第六章 聖母マリア出現と右派オカルティズム
第七章 メスマーの「動物磁気」とその影響
第八章 心霊術の時代
第九章 科学の時代のオカルティズム――心霊術と心霊科学
第十章 禍々しくも妖しく――陰謀論を超えて
終章 神なき時代のオカルティズム

著者の大野英士氏は、指揮者 大野和士の実兄です。
ぜひ、お読みください。

 

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